ロボットが子供に?楳図かずお「わたしは真悟」のあらすじをご紹介

楳図かずおの長編SF漫画『わたしは真悟』がミュージカルとなって蘇り、12月上旬の神奈川・KAAT神奈川芸術劇場公演を皮切りに、静岡、富山、京都、東京で上演されます。大人たちによって作られた工業化された世界で、大人になりたくないと葛藤する子供たちのおぞましくも美しい恋物語。そんな『わたしは真悟』のあらすじを紹介します。

ミュージカル『わたしは真悟』が、12月上旬の神奈川・KAAT神奈川芸術劇場公演を皮切りに、静岡、富山、京都、東京で上演。気になるミュージカルの原作は、楳図かずおの長編SF漫画『わたしは真悟』。『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)で1982年8号から1986年27号まで連載された作品です。恐怖漫画の第一人者である楳図かずおが、恐怖テイストを控えめに、神とは何か、意識とは何かといった、形而上学的なテーマに挑んだ意欲作。そんな漫画『わたしは真悟』のあらすじについて、ネタバレを含みつつ紹介します。

『わたしは真悟』あらすじ1:恋に落ちる悟と真鈴

小学生の「近藤悟(さとる)」と「山本真鈴(まりん)」は、「モンロー」という名の産業用ロボットがいる学校の工場見学で出会い、お互い一目惚れをします。
二人はロボットに様々な命令を打ち込み遊んでいました。
仲を深めた二人は将来を約束しあうが、町工場労働者の息子と外交官の娘という身分違いの恋は、真鈴の父親の海外勤務にともない引き裂かれてしまいます。

二人は、思いの証として子供を作ることを考え、どうすれば子供ができるか、と産業用ロボットに聞く。そして、自分たちの子供を作るため、悟の父親が働く町工場の産業用ロボット「モンロー」の指令(「333のテッペンカラトビウツレ」)に基づき、東京タワーの頂上から救助にきたヘリコプターに飛び移る。

『わたしは真悟』あらすじ:「真悟」の誕生

東京タワーのエピソードを契機に、悟と真鈴の二人が東京タワーから決死の思いで救助ヘリに飛び移った瞬間、機械のモンローには二人の子供としての意識、「真悟」の人格が生まれます。真鈴と離れ離れになった悟はロボットに「マリン ボクハイマモ キミヲアイシテイマス」と打ち込みます。
モンローは親二人の名前をとって自らを「真悟」と名乗り、悟が残した真鈴へのメッセージを伝えるために行動を開始する。「真悟」は真鈴を探す旅を続けるなかで、あちこちのコンピュータと連携を取ります。例えば、自分が乗った船や、それを経由して衛星にアクセス。コンピュータネットワークを通じて知能と能力を増大させ、人工衛星までも乗っ取り、真鈴を探す真悟はようやく真鈴を見つけます。
真鈴は外国で悪意ある幼児性愛者の男に言い寄られ、精神を病んでいた。真悟は真鈴を守るため人工衛星を落とす。悟からのメッセージを受け取った真鈴は「サトル、ワタシハ イマモ アナタガ スキデス。 マリン」という言葉を「真悟」に託す。

『わたしは真悟』あらすじ:残った「アイ」という言葉

「真悟」は真鈴のメッセージを悟に伝えようと旅に出るが、人工衛星を落としてからは急速にその知能と能力が衰えていく。
それでも必死に伝えるべきメッセージを忘れまいとしながら悟をさがす「真悟」。
最後に自分の腕で記憶に残った二文字を地面に書き残して全てのエネルギーが尽きるとき、「真悟」は悟に再会する。
悟は地面に書かれた「アイ」という二文字を見つけるが、悟には地面に倒れたロボットが「真悟」だとは気づきませんでした。
そもそも真鈴と悟はロボットであるモンローが自分たちの子供「真悟」になっていること自体を知らなかったのです。真鈴のメッセージはついに悟に届くことはなく、物語は終わりを迎える。

『わたしは真悟』おぞましくも美しい恋物語。

小学6年生による、おぞましくも美しい恋物語。ロボット「真悟」の視点から語られる、大人たちによって作られた工業化された世界で、大人になりたくないと葛藤する子供たちの物語は魅惑的です。漫画は全10巻。誰も見たことのない物語が繰り広げられていく、『わたしは真悟』。ミュージカルの前に一度読んでみてはいかがでしょうか。

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