大相撲界における縁の下の力持ち!「行司」の仕事内容とは?

大相撲はもちろん力士と力士の1対1の闘いに見所があるワケですが、その取り組みを仕切る「行司」も大相撲に欠かせない重要な存在です。本日は大相撲界における縁の下の力持ち、行司の存在にスポットライトを当ててご紹介します。

行司は他のスポーツの審判とは少し立場が異なっています。なにより、大相撲は力士同士が呼吸を合わせて勝負を始めるという変わった競技です。

行司は仕切り中に「待ったなし」とか、取組中「はっけよい!」と、かけ声こそかけるものの別にこのかけ声は、競技を開始させたり力士を動かしたりする強制力はありません。

さらに、勝った方に軍配はあげますが他のスポーツのように、「審判は絶対」というわけでもありません。つまり、勝敗を決定づける最終的な権限は持っていないのです。

行司の軍配に疑問がある場合は、物言いと言って土俵の四方を囲む勝負審判により、勝敗を審議する余地が残されているのです。行司は勝負結果について微妙でどちらがかったのか分からない場合でも一応どちらかに軍配を上げなければなりません。

行司の上げた軍配に異議がある場合勝負審判が協議して、それでも判断が付かない場合、最近ではビデオも参考にして勝敗を決めています。

意外と知られていないのは、行司が土俵の外でも大相撲には欠かせない役割として活躍していること

土俵の上で行司はあくまで進行役。「はっけよい!残った!残った!」と威勢のいい声をかけ、まわしが緩めば締め直し、力士から血が出ればそれを拭きます。

さらに力士のまわしから外れた、さがり(まわしの下についている紐のようなもの)を外によけ、取り組みが長時間になった場合は水入りとします。力士を一旦休憩させる前に、仕切り直し後の体勢と位置をしっかりと確認しておきます。こういった細かなサポートを行うのが行司の役割なのです。

そんな地味な役回りなのかとお思いかも知れません。しかし、行司の仕事は土俵の中だけではありません。十両、幕内、横綱の土俵入りの先導、決まり手などの場内放送でアナウンスするという重要な仕事も行司が担っています。

取組編成会議での記録も行司の仕事です。また、大相撲には巡業が付きものですが、交通機関や宿泊先の手配や部屋割りなどについても巡業先に先乗りしている親方を補佐する役割があります。

大相撲独特の文字で書かれた、あの番付表も行司の重要な仕事

他にもまだまだ行司の仕事はあります。大相撲に詳しくない方でもメディアなどを通じて見たことがあるでしょう。あの独特の相撲文字で書かれた番付表を書くのも行司の仕事です。

番付は、番付編成会議で決定したものを行司が記録するのです。地味どころか尊敬の念さえこみ上げてくるようなお仕事です。

その後、あの丸っこい独特の相撲文字を書くのがうまい行司が、番付の原簿となる「巻き」と呼ばれる和紙を作成してから、約10日もかけて隙間がないぐらいにびっしりと書いていき、ようやく完成となります。

びっしりと書くのは、満員御礼を祈願しているとも言われています。

国技・大相撲の華麗なる脇役、昔ながらの装束で捌く行司の存在

これほど大変な仕事の行司ですが、れっきとした大相撲の様式を彩る一部です。所作や発声にもピリッとするような威厳がありその最たるものでしょう。立ち居振る舞いで、大相撲ファンの中には「あの行司はこういう特徴がある」などとも評価されることもよくあります。

そもそも行司には型があり、「木村家」と「式守家」という二つの家ごとに決まっています。行司には格と階級が存在しており、あのきれいな装束や履き物も、階級により色や生地が決まっているのです。

最高位である立行司「木村庄之助」、「式守伊之助」ともなるとその装束は紫を主とした、格調高いものとなっています。より具体的に説明すると、最高位の立て行司は白足袋と草履を履いていますが、幕内格と十両格の行司は白足袋のみです。

さらに幕下格以下の行司は素足です。装束についても立て行司は右腰に印籠を付け、左腰に短刀を差しています。何と、差し間違えた場合には切腹するための短刀だそうで、行司も昔は命がけだったのですね。

行司の登場は8世紀頃と言われています。始祖は志賀清林という人物

さて、国技であり日本の伝統文化である相撲の歴史は、日本相撲協会によると1500年とも言われています。明確に現在の相撲の形と成してきたのは8世紀頃で、聖武天皇の時代の726年に志賀清林という人物が相撲司に任命されて行司を務めたのが行司の始祖とされています。

その後約300年間、相撲は宮廷の行事として行われていたので、行司は神事を司る立場でした。安土桃山時代には織田信長が上覧相撲を催したという記録があり、勝負を判定するものを「行事」と称していました。

その後、現在の「行司」となったようです。行司の装束が今もなお同じスタイルなのは、そうした歴史の流れを汲んでいるのです。

今や、相撲女子などという存在も注目され、観客に外国人の姿も良く見られるようになりました。相撲人気は国際級です。人気力士たちによる取り組みももちろん面白いのですが、取り組みを捌く行事の動作や振る舞いに注目してみると、相撲の楽しみが広がるかも知れませんね。

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行司に関心を持ったら、大相撲のナマ観戦をおすすめします!

さて、相撲における行司の役割に関心を持っていただいたでしょうか。もし、行司を生で見たいと思ったのなら、実際に大相撲を観戦しに行かれることをおすすめします。

テレビでは伝わらない臨場感が味わえ、そして相撲に関わる行司などに注目して視線を送れば違った楽しみが発見できるでしょう。チケットキャンプ(チケキャン)では、大相撲の観戦チケットも取り扱っていますので興味がある方は、ぜひお調べください。

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