大相撲の行司のなり方や給料・初任給について。資格は必要or不要どっち?

大相撲はもちろん力士と力士の1対1の闘いに見所があるワケですが、その取り組みを仕切る「行司」も大相撲に欠かせない重要な存在です。本日は大相撲界における縁の下の力持ち、行司の存在にスポットライトを当てて、行司の役割から階級や給料の秘密、そしてルーツまで、すべてをまとめてご紹介します。

【大相撲ファンなら知っておきたい、行司の役割、そして給料から階級まで】

人気力士が続々と輩出されてきたことで、一気に注目を集めている大相撲。女性からの人気も急上昇しており、大相撲に注目している若者も多くなりました。

しかし、その中で意外と知られていない分野があります。それが行司。行司の詳しい仕事内容、役割、そして給料や階級については正確に説明できる人は少ないでしょう。

そこで今回は、行司の仕事内容から給料、階級まで徹底的にご紹介します。

【そもそも、大相撲の「行司」って?】

行司は他のスポーツの審判とは少し立場が異なっています。なにより、大相撲は力士同士が呼吸を合わせて勝負を始めるという変わった競技です。

行司は仕切り中に「待ったなし」とか、取組中「はっけよい!」と、掛け声こそかけるものの別にこの掛け声は、競技を開始させたり力士を動かしたりする強制力はありません。さらに、勝った方に軍配はあげますが他のスポーツのように、「審判は絶対」というわけでもありません。つまり、勝敗を決定づける最終的な権限は持っていないのです。

行司の軍配に疑問がある場合、物言いと言って土俵の四方を囲む勝負審判により、勝敗を審議する余地が残されているのです。行司は勝負結果について微妙でどちらがかったのか分からない場合でも一応どちらかに軍配を上げなければなりません。

行司の上げた軍配に異議がある場合勝負審判が協議して、それでも判断が付かない場合、最近ではビデオも参考にして勝敗を決めています。それでは、気になる階級や給料のまえに、もう少し掘り下げてみましょう。

【意外と知られていない!行司は土俵の外でも大相撲に欠かせない役割】

土俵の上で行司はあくまで進行役。「はっけよい!残った!残った!」と威勢のいい掛け声をかけ、まわしが緩めば締め直し、力士から血が出ればそれを拭きます。

さらに力士のまわしから外れた、さがり(まわしの下についている紐のようなもの)を外によけ、取り組みが長時間になった場合は水入りとします。力士を一旦休憩させる前に、仕切り直し後の体勢と位置をしっかりと確認します。こういった細かなサポートを行うのが行司の役割なのです。

そんな地味な役回りなのかと思うかも知れません。しかし、行司の仕事は土俵の中だけではありません。十両、幕内、横綱の土俵入りの先導、決まり手などの場内放送でアナウンスするという重要な仕事も行司が担っています。

取組編成会議での記録も行司の仕事です。また、大相撲には巡業が付きものですが、交通機関や宿泊先の手配や部屋割りなどについても巡業先に先乗りしている親方を補佐する役割があります。

【大相撲独特の文字で書かれた、あの番付表も行司の重要な仕事】

他にもまだまだ行司の仕事はあります。大相撲に詳しくない方でもメディアなどを通じて見たことがあるでしょう。あの独特の相撲文字で書かれた番付表を書くのも行司の仕事です。

番付は、番付編成会議で決定したものを行司が記録するのです。地味どころか尊敬の念さえこみ上げてくるようなお仕事です。

その後、あの丸っこい独特の相撲文字を書くのがうまい行司が、番付の原簿となる「巻き」と呼ばれる和紙を作成してから、約10日もかけて隙間がないぐらいにびっしりと書いていき、ようやく完成となります。

力士名、階級などを1枚の紙いっぱいにびっしりと書くのは、満員御礼を祈願しているとも言われています。番付表を見てるとまるで伝統芸術の域に達しているような感もあり、このような事もおこなっているのなら、給料も相当良いのでは…と思われるのではないでしょうか?

【国技・大相撲の華麗なる脇役、昔ながらの装束で捌く行司の階級、そして給料に迫る】

これほど大変な仕事の行司ですが、れっきとした大相撲の様式を彩る一部です。所作や発声にもピリッとするような威厳がありその最たるものでしょう。立ち居振る舞いで、大相撲ファンの中には「あの行司はこういう特徴がある」などとも評価されることもよくあります。それでは、いよいよ行司の階級や、給料に注目してみましょう。

大相撲の行司、その階級とは?

そもそも行司には型があり、「木村家」と「式守家」という二つの家ごとに決まっています。行司には格と階級が存在しており、あのきれいな装束や履き物も、階級により色や生地が決まっているのです。

そしてその階級によって担当できる取組みが異なってきます。行司の階級は9つの階級があります。一番下の階級が序ノ口格といい、そこから順に、序二段格、三段目格、幕下格、十両格、幕内格、三役格、立行司格式守伊之助、立行司格木村庄之助となっています。

この9つの階級、すべて合わせて45名が定員と決まっていて、十両格以上の取組みを担当できるのはその中でも半数の22名以内と決められているのです。さらに西條階級の立行司格は2名と決まっています。たった2名となると…給料もとても良いのではと想像されるのではないでしょうか。ちなみに、行司は定年制になっていて、65歳で定年退職となります。

階級を表す、行事の衣装

最高位である立行司「木村庄之助」、それに次ぐ「式守伊之助」ともなるとその装束は紫を主とした、格調高いものとなっています。より具体的に説明すると、最高位の立て行司は白足袋と草履を履いていますが、幕内格と十両格の行司は白足袋のみです。

さらに幕下格以下の行司は素足です。装束についても立て行司は右腰に印籠を付け、左腰に短刀を差しています。何と、差し間違えた場合には切腹するための短刀だそうで、行司も昔は命がけだったのですね。

大相撲の行司、その給料は?

行司の給料システムは「本棒」と「衣装代」と「手当」の合算で月給制となっています。その給料の額は階級によって異なってきます。本棒については階級順となっていて、階級が高ければ高いほど、給料は高くなるシステムです。

この本棒に、個人能力や成績、勤務状況や仕事に取組む姿勢などを加味して、総合的な給料を日本相撲協会の理事長が決定すると言われています。下記にそれぞれの階級に該当する給料(年棒)をまとめていますのでご覧ください。

行司の給料階級

  • 序ノ口格:14,000円~20,000円
  • 序二段格:20,000円~29,000円
  • 三段目格:29,000円~42,000円
  • 幕下格:42,000円~100,000円
  • 十両格:100,000円~200,000円
  • 幕内格:200,000円~360,000円
  • 三役格:360,000円~400,000円
  • 立行司格式守伊之助:400,000円~500,000円
  • 立行司格木村庄之助:400,000円~500,000円

【大相撲の行司になりたい!と思った方のために】

ここまでの役割紹介などをご覧になって、「大相撲の行司になりたい」「自分の子どもを大相撲の行司に…」と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。格式ある日本の国技のなかで、厳粛たる雰囲気で取組みをさばく行司のその姿は、給料の額などには換えがたい尊厳さがあります。

大相撲の行司になるには?

まず、行司になるにはどのようなステップを踏まなくてはならないのでしょうか?

行司になるには、いくつかの条件があります。まず、一つ目は年齢と性別制限。年齢は満19歳までの中卒以上の学歴保持者と決められており、男子のみが対象となっています。つまり、行司になりたいと20歳を過ぎてから思っても、19歳未満でも女性であったら不可能ということです。

上記の条件を満たした人が行司になるためには、まずどこかの相撲部屋に所属する必要があります。そして、その相撲部屋で相撲について勉強をして、相撲部屋から相撲協会と行司会に推薦してもらわなくてはなりません。定員に空きがあり、なおかつ審査に合格すれば、ここで初めて行司として仕事をすることができるのです。

ただし、行司として認定されていても最初の三年間は養成期間として、修行をしなくてはなりません。相撲界についての基礎知識、相撲の歴史、取り組みの勝敗の見極め方や立振舞い、行司の衣装について基礎知識、行司独特の掛け声の練習など、課題はたくさんあります。そうやってやっと、階級の項でご紹介した一番下の階級、序ノ口格となれるのですね。

行司になるための道のりのまとめ

19歳未満で中卒以上の学歴をもった男子という条件を満たす

相撲部屋に入門

相撲部屋から行司会と相撲協会に推薦してもらう

三年間の養成期間で修行

【大相撲「行司」、そのルーツとは】

階級や給料、行司になるまでの道のりなどで、だいぶ大相撲の行司に対する興味がわいてきたのではないでしょうか。

さて、国技であり日本の伝統文化である相撲の歴史は、日本相撲協会によると1500年とも言われています。明確に現在の相撲の形と成してきたのは8世紀頃で、聖武天皇の時代の726年に志賀清林という人物が相撲司に任命されて行司を務めたのが行司の始祖とされています。

その後約300年間、相撲は宮廷の行事として行われていたので、行司は神事を司る立場でした。安土桃山時代には織田信長が上覧相撲を催したという記録があり、勝負を判定するものを「行事」と称していました。

その後、現在の「行司」となったようです。行司の装束が今もなお同じスタイルなのは、そうした歴史の流れを汲んでいるのです。

今や、相撲女子などという存在も注目され、観客に外国人の姿も良く見られるようになりました。相撲人気は国際級です。人気力士たちによる取り組みももちろん面白いのですが、取り組みを捌く行事の動作や振る舞い、階級ごとの衣装の違いなどに注目してみると、相撲の楽しみが広がるかも知れませんね。

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【役割、階級、給料などをみて行司に関心を持ったら、大相撲のナマ観戦をおすすめします!】

 

(出典:photoACより)

 

さて、大相撲における行司の役割、階級、そして気になる給料などをまとめてご紹介しました。「行司にもこんなに階級があるのか」「行司の給料は予想と違うな」など、関心を持っていただいたでしょうか。もし、行司を生で見たいと思ったのなら、実際に大相撲を観戦しに行かれることをおすすめします。テレビでは伝わらない臨場感が味わえ、そして相撲に関わる行司などに注目して視線を送れば違った楽しみが発見できるでしょう。

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