豪華キャスト!アーサー・ミラー原作の舞台「るつぼ」のあらすじをご紹介

10月7日~30日まで戯曲「るつぼ」の舞台がシアターコクーンで上演されます。巨匠アーサー・ミラー渾身の代表作ですが、今回皆さんが鑑賞する前に原作の内容を簡潔にご紹介したいと思います。ぜひ物語の深い魅力を予習してみてください。

米国の劇作家アーサー・ミラーの戯曲「るつぼ」の舞台が10月7日から30日までシアターコクーンで上演されます。

「るつぼ」は植民地時代のアメリカで実際に起こった魔女騒動を描いた作品です。正義とは何か、そして人間の本質と尊厳を問う巨匠アーサー・ミラー渾身の代表作です。そこで、上演に先立って原作の内容を紹介します。

物語の舞台は17世紀の建国前のアメリカ、実際にあった魔女裁判が題材

The Crucible

(出典:Amazonより)

戯曲「るつぼ」(原題the crucible)の原作は1692年のアメリカ・マサチューセッツ州で実際に起こった「セイラム魔女騒動」を題材として書き上げられており基本が4幕構成の戯曲です。

1692年と言えば日本では江戸時代の中期です。アメリカ独立の100年近く前ですから、アメリカという国がまだ誕生する以前のヨーロッパの植民地であった混沌とした時代です。新天地を求めてヨーロッパからメイフラワー号などで渡ってきた移民の時代から約70年経過後の片田舎の村で起こった出来事なのです。

戯曲「るつぼ」の物語は、美少女アビゲイルが森の中で仲間達と全裸で踊っているところから始ります。そこをアビゲイルの叔父である牧師のパリスに見られてしまいます。

そして少女達の仲間の一人であったパリス牧師の娘が意識を失って倒れたことで、町の人々から少女達が悪魔を呼び出す儀式を行っていたのではないかという疑いをもたれ大騒動に発展します。

その後、悪魔払いの牧師が呼ばれるなど町は大混乱に陥ります。そして少女達は次々と町の人を名指しし「悪魔を呼んでいた者は他にいる」と告発し続けます。そのため町の人たちが続々と逮捕される中、アビゲイルたちは一躍聖女扱いに崇め奉られるまでの存在になります。

そして、アビゲイルらによって告発は農夫プロクターの妻であるエリザベスの身にまで及び、物語は更に闇に向かって突き進んで行くのです。

美少女アビゲイルの嘘が発端となり次々と魔女狩りに展開する騒動に

アビゲイルは元々プロクター家の召使いとして働いていましたが、雇い主であるプロクターと関係を持ってしまい、恋心のあげく魔女騒動に乗じて敬けんなクリスチャンであるプロクターの妻エリザベスを告発したのです。

他にも魔女と疑われる人々も次々と名指しされ、その裏で村の人々を取り巻く複雑な人芸関係や金銭、土地、家畜などを巡るトラブルが絡み合ってなお混乱が続きます。

季節は流れ、セイラムでは多くの人が獄中にあるため収穫作業も進まない状況を迎えていました。一方、次第に人々から魔女裁判に対する疑問の声が持ち上がり、身の危険を感じたアビゲイルは町からひっそりと姿を消します。

そうした中で、アビゲイルからの一緒に逃亡しようという提案を拒んだプロクターは、妻エリザベスとともに自らのプライドを守ることを選択し多くの村人達と処刑され、魔女裁判は終結するのです。

豪華なキャストで繰り広げられる人間模様を描いた悲劇「るつぼ」の舞台に期待

「るつぼ」は、アーサー・ミラーが250年以上も前の史実を丹念に調べ上げ、物語として蘇らせたものです。実際にもセイラム魔女裁判として200人近い人々が魔女として告発され20人が処刑や拷問で死亡したという記録が残っています。

マスメディアが発達した今日では考えられないことですが、情報が閉塞的な社会の中ではで一人歩きする噂の流布が時として恐ろしい結末を招くということをこの物語が私たちに教えてくれます。

「るつぼ」は1950年に発表された作品で、「セールスマンの死」と並ぶアーサー・ミラーの代表作です。作品が発表された第2次世界大戦後のアメリカでは上院議員によって扇動された「反共産主義」で投獄者が続出していました。

アーサー・ミラー自身も思想を疑われていたとされています。集団心理による暴走が悲劇を呼ぶことに対する警鐘としてこの作品が読み続けられ、舞台での上演が行われて来ました。

今回、シアターコクーンで上演される「るつぼ」は、才能溢れる演出家ジョナサン・マンビィと豪華出演者が注目です。農夫プロクターを演じるのは堤真一さん、その妻エリザベス役には松雪泰子さん、そして美少女アビゲイルに黒木華さんです。

また、ヘイル牧師役として溝端淳平さんが演じます。るつぼが日本で上演されるのは4年ぶりです。演出家ジョナサン・マンビィによる新しい「るつぼ」に注目です。

時代や場所を越えて人間の尊厳に迫る舞台「るつぼ」の魅力を発見してください

シアターコクーンで上演されるアーサー・ミラーの戯曲「るつぼ」は17世紀のアメリカの田舎町が舞台です。罪も無い人々が言われ無き魔女裁判によって非業の死を遂げていた社会を鋭く風刺した作品です。

時代が変化したとは言え、人間同士の利害関係やそれぞれの業が時として人を追い詰めることが、時代や場所を越えてあり得ることを思い起こしてくれる作品です。「るつぼ」を良席で観たい方のチケット情報はチケットキャンプ(チケキャン)で。

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