ミュージカル『王家の紋章』再演記念!『天は赤い河のほとり』と似てる?似てない?

初演から1年以内に再演されることが決まったミュージカル『王家の紋章』。その原作は、40年以上も連載が続いている少女漫画の金字塔的です。そんな原作『王家の紋章』と、よく比較される少女漫画があることをご存じですか?それは、篠原千絵作『天は赤い河のほとり』です。主人公である少女が古代へタイムスリップしてしまうというストーリーを持つこの2作品。今回は、『王家の紋章』と『天は赤い河のほとり』の共通点と相違点を検証します。

【ミュージカル『王家の紋章』原作は少女漫画の金字塔】

2016年の初演に引き続き、早くも2017年に再演されることが決定したミュージカル『王家の紋章』。この作品の原作は、1976年から40年以上も連載が続いている少女漫画の金字塔『王家の紋章』(細川智栄子あんど芙〜みん作)です。

現代アメリカと、古代エジプトとを行き来する壮大なロマンを描いた『王家の紋章』ですが、実は少女漫画界にはもうひとつ似たストーリーの作品が存在しています。

それは、『天は赤い河のほとり』という作品です。1995年から8年間続き、高い人気を誇った『天は赤い河のほとり』とは、一体どのような作品なのでしょうか?今回は、『王家の紋章』と『天は赤い河のほとり』のストーリー上の共通点と相違点を検証します。

【ミュージカル『王家の紋章』原作と『天は赤い河のほとり』の共通点】

それでは、まずミュージカル『王家の紋章』原作と『天は赤い河のほとり』の共通点と探っていきましょう。

現代の少女が古代にタイムスリップ

両方の作品とも、現代に生きる少女が、突然古代にタイムスリップするというところから物語がスタートします。

『王家の紋章』

主人公キャロルは、アメリカ人のお嬢様。考古学を熱心に学んでいて、エジプトに留学しています。古代エジプトの若き王メンフィスの墓を暴いたために、神殿の祭祀であったメンフィスの異母姉アイシスにより、キャロルは古代エジプトへと連れ去られてしまいました。

『天は赤い河のほとり』

主人公は、日本で暮らす中学生・鈴木夕梨。実子を皇位継承者にせんと目論む古代ヒッタイト国の皇妃ナキアの呪術により、夕梨はある日突然水の中に引きずり込まれ、古代の世界へとタイムスリップします。

主人公と古代の王が激しい恋に落ちる

ミュージカル『王家の紋章』原作でも『天の赤い河のほとり』でも、主人公の少女は古代の世界へと呪術によって連れ去られてしまいます。さらに、古代の世界で出会った若者と恋に落ちるという点も共通しています。

『王家の紋章』

タイムスリップしたキャロルは、エジプトの若き王メンフィスと出会います。透き通るような肌と黄金色の髪を持ち、聡明なキャロルに強く惹かれていくメンフィス。最初は気性が激しいメンフィスに反発していたキャロルでしたが、彼女もまたメンフィスを愛するようになります。

『天は赤い河のほとり』

古代ヒッタイト国にタイムスリップした夕梨は、ユーリと名乗るようになります。ナキアから逃げるユーリを救ったのは、皇位継承の最有力者であるカイルでした。カイルと共に暮らすことになったユーリは、戦いの女神イシュタルと呼ばれ次々と功績を挙げ、カイルと公私にわたるパートナーとして惹かれ合っていくことになります。

主人公がとにかくモテる

ミュージカル『王家の紋章』原作と『天は赤い河のほとり』の共通点のひとつが、「とにかくヒロインがモテまくる」ことです。あらゆる登場人物がヒロインたちを奪おうとするのも、大きな見どころ。

『王家の紋章』

白い肌と金色の髪を持ち、幅広い知識と慈悲心、何者をも恐れない勇気を胸に秘めたキャロルは、「ナイルの娘」としてエジプトの民に崇められるようになります。

優しく美しい彼女ですので、当然あらゆる男性を一目で虜にしてしまいます。ヒッタイト国の王子イズミルやミノア国の少年王ミノス、現代での婚約者であるジミーなど、キャロルを想う男性は枚挙にいとまがありません。

『天は赤い河のほとり』

華奢で少年のようなユーリは、行動的で活発な性格です。一見すると男の子のような服装でいることが多いのですが、そんなユーリも男性陣にモテモテ。カイルの異母弟ザナンザ、エジプトの名将ラムセスなど、多くの男性がユーリを自分のものにしようと迫ります。

そして、どれほど他の男性に愛されようと、キャロルもユーリも一途に愛を貫く…という展開も共通しています。

【ミュージカル『王家の紋章』原作と『天は赤い河のほとり』の相違点】

それでは、次に『王家の紋章』原作と『天は赤い河のほとり』の相違点を見ていきましょう。

主人公の国籍と性格

ミュージカル『王家の紋章』原作と『天は赤い河のほとり』では、まず、主人公であるキャロルとユーリの設定が違います。

『王家の紋章』

主人公であるキャロルは、アメリカ人でありリード・コンツェルンの社長令嬢。考古学に没頭している変わり者ではありますが、もともとが目を見張るほどの美女であり、行動的というよりは思慮深いタイプです。

勉強が大好きで心穏やか。しかし、意志は強いというキャラクターに設定されています。慈悲と知識の人というイメージです。

『天は赤い河のほとり』


主人公であるユーリは、日本のごく普通の家庭に育つ中学生。勉強よりも運動!というタイプで、言いだしたら聞かないという頑固なところがあります。その性格を活かし、戦場の場で能力を発揮します。知識で勝負するキャロルとは対照的に、ユーリは「戦いの女神」として民衆の支持を集めていくのです。

タイムスリップのルール

ミュージカル『王家の紋章』原作と『天は赤い河のほとり』で特に大きい違いだといえるのが、タイムスリップに関するルールでしょう。

『王家の紋章』

キャロルは、何度も現代と古代を行き来します。最終的にメンフィスと共に生きることを選択するとはいえ、現代に生きる兄と心がつながっていたりと、両方の時空を生きる存在として描かれています。

『天は赤い河のほとり』

ユーリは、一定条件を満たさないと現代に帰ることができません。キャロルとは違い、ユーリは「現代に戻る」か「古代に生きる」か、どちらかを永遠に選択しなければならないという試練が課せられています。

登場するキャラクターが架空か実在するか

ミュージカル『王家の紋章』原作と『天は赤い河のほとり』の違いとして、登場するキャラクターの名称があります。

『王家の紋章』

ミュージカル『王家の紋章』原作に登場するキャラクターは、すべて架空の人物です。つまり、古代オリエントを舞台にした、完全なるフィクションなのです。

『天は赤い河のほとり』

『天は赤い河のほとり』に登場するキャラクターは、ユーリ以外の多くの人物が実在しています。もちろん、フィクションの要素を多分に含んではいるものの、ある程度史実に引っ張られる形でストーリーが展開されていきます。

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【ミュージカル『王家の紋章』を観る前に、『天は赤い河のほとり』も読んでみては?】


(出典:pixabayより)

 

ミュージカル『王家の紋章』の原作である、少女漫画の金字塔『王家の紋章』。この偉大な作品としばしば比較される名作『天は赤い河のほとり』。

ただ、『王家の紋章』と『天は赤い河のほとり』に共通する部分が多いのは確かだとしても、両者の作風はかなり異なるということは付け加えさせてください。

ミュージカル『王家の紋章』再演を前に、原作である『王家の紋章』はもちろん、『天は赤い河のほとり』も読んでみてはいかがでしょうか?

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