『劇団四季 ノートルダムの鐘』ディズニー映画とヴィクトル・ユゴーの原作『ノートルダム・ド・パリ』との違いを解説

ヴィクトル・ユゴーの代表作『ノートルダム・ド・パリ』を原作として製作されたディズニー映画版『ノートルダムの鐘』。そして、新作舞台『劇団四季 ノートルダムの鐘』。今回は、ディズニー映画版『ノートルダムの鐘』、原作小説版『ノートルダム・ド・パリ』、舞台『劇団四季 ノートルダムの鐘』の違いを解説します。

【劇団四季『ノートルダムの鐘』と原作の違いは?】

世界的文豪ヴィクトル・ユゴーの代表作『ノートルダム・ド・パリ』を原作として製作されたディズニー長編アニメーション作品『ノートルダムの鐘』は、ディズニー映画の中では珍しくシリアスかつ過酷な状況を描いているので楽しさには欠けるものの、素晴らしい音楽とともに高い評価を得ている名作です。

この映画をもとにつくられたミュージカル『ノートルダムの鐘』もまた、目を見張るセットや重厚な音楽で高く評価され、2016年12月11日からは、ついに劇団四季による翻訳公演が上演されており、先日追加公演も決定しました!

今回は、ディズニー映画版『ノートルダムの鐘』、ヴィクトル・ユゴーによる原作小説版『ノートルダム・ド・パリ』、そして劇団四季による舞台版『劇団四季 ノートルダムの鐘』の違いについて解説します。 

【ヴィクトル・ユゴーによる原作 小説版『ノートルダム・ド・パリ』について】

まずは、ディズニー映画版、舞台版『劇団四季 ノートルダムの鐘』ともに原作としているヴィクトル・ユゴーによる小説版『ノートルダム・ド・パリ』を解説しましょう。

小説版『ノートルダム・ド・パリ』あらすじ

『ノートルダム・ド・パリ』は、ヴィクトル・ユゴーにより書かれ、1831年に出版された悲劇的小説です。15世紀のパリ、ノートルダム大聖堂に鐘つきとして住んでいる異形の青年カジモドがいました。

彼は幼い頃に引き取られ、その異形の体を理由に鐘楼にずっと閉じ込められていましたが、いつもその下に広がる街を眺めながら、外へ出ることを夢見ていたのです。

そんなカジモドの育ての親フロローは、聖職者でありながらも、パリにやってきた美しいジプシー娘エスメラルダに恋をし、その歪んだ愛情からカジモドを使って誘拐を試みます。しかし作戦は失敗に終わりました。

エスメラルダは、フロローの作戦に参加したものの離反した衛兵フィーバスと恋に落ちたのです。しかも、フィーバスは妻がいる身でありながらエスメラルダとも関係を持とうとする不実な男でした。

フロローはひどく嫉妬にかられ、フィーバスを刺殺。そして、その濡れ衣を着せられたエスメラルダは魔女裁判にかけられたうえ、死刑を宣告されてしまいます。

以前優しい言葉をかけてくれたエスメラルダに恋をしてしまったカジモドは、逃げてきた彼女を匿いますが、エスメラルダはカジモドの醜い顔をまともに見ることすらできませんでした。

後を追ってきたフロローはエスメラルダを引きずりだし、自分のものになるならば助けてやると脅します。しかし、エスメラルダは拒否。あえなく処刑されてしまいます。そして、カジモドは塔の上から処刑を見届けているフロローを突き落とすのでした。

小説版『ノートルダム・ド・パリ』は救いのないシリアスなストーリー

ヴィクトル・ユゴーによる『ノートルダム・ド・パリ』は、非常に暗くシリアスな内容です。教会の肥大化した権威がもたらす歪んだ現実を描き、差別や醜い欲望などをはじめとする多くの問題を炙り出しました。

この作品は後の世に大きな影響を与え、ディズニー長編アニメーション映画以外にも、複数の映画版が製作されていますし、バレエなどにもなっています。ダークな面が強いものの、長年にわたって人気のある作品であることがよくわかりますね!

【ディズニーによる映画版『ノートルダムの鐘』について】

1996年に公開されたディズニー長編アニメーション『ノートルダムの鐘』は、ヴィクトル・ユゴーによる原作『ノートルダム・ド・パリ』のストーリーを大幅に変更しました。まず、小説版ではカジモド以外ほとんどが死亡してしまうという救いようのないバッドエンドを、ハッピーエンドに変更。

悪役であるフロロー以外は全員生き残ります。また、小説版では婚約者がいながらもエスメラルダに横恋慕する不実な男として描かれていたフィーバスが誠実なキャラクターになっていて、エスメラルダの恋は成就します。

このように、原作である小説版のシリアスな部分が変更になっているという点は、かなり大きな違いなのです。

演出効果を見ると、これまでのディズニー作品にみられるような要素が入っていますが、やはり全体の雰囲気は暗く、他のディズニー長編アニメーションとの違いは明らかです。

そのせいか、映画公開当時の日本ではあまり知名度が高くなかったものの、素晴らしい楽曲たちとともに描かれるストーリーは、大人向けの作品として評価が高い名作です。

なお、映画版の日本語吹き替えは劇団四季の俳優が担当し、非常に評判が良かったということも付け加えておきます。

すでに退団しているため『劇団四季 ノートルダムの鐘』には出演していませんが、石丸幹二(カジモド役)、保坂知寿(エスメラルダ役)、芥川英司(フィーバス役・現在の芸名は鈴木壮麻)など、そうそうたるメンツが揃っていたので、評判になるのも納得です!

【舞台版 劇団四季『ノートルダムの鐘』について】

劇団四季で上演される舞台版『劇団四季 ノートルダムの鐘』は、基本的にディズニーによる映画版を基にしています。しかし、それは主に世界観や楽曲などであり、ストーリーはより小説版に近づけています。

つまり、ディズニー版と違い、かなりダークな展開になっているということです。

細かい部分がどう変わっているのかは実際にご覧になっていただきたいのですが、少なくとも映画版のように「フロロー以外は助かってめでたしめでたし」とはならないことは確実ですので、そのつもりで臨んだ方が良いでしょう。

舞台版の見どころは、原作の印象に近い衣装やセット。醜い姿をメイクでリアリティを増したカジモド、美しさが際立つような色鮮やかな衣装に身を包んだエスメラルダ、厳格な聖職者の印象付けを徹底したフロロー、どこか不誠実さを漂わせるフィーバスなど、原作からそのまま出てきたような雰囲気があります。

また、楽曲はディズニー音楽を手がけてきたアラン・メンケン(作曲)とスティーヴン・シュワルツ(作詞)が担当しており、ディズニーの映画版に通じる部分があるのも面白いところです。

舞台版は原作『ノートルダム・ド・パリ』とディズニー版映画のいいとこ取りをしていると言っても過言ではありません。もちろん、実力派の役者による迫力満点の演技も見どころです!

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(出典:pixabayより)

原作『ノートルダム・ド・パリ』、そしてディズニーによる映画版、劇団四季の舞台版、あわせて3作品の解説をお届けしました。現在は、話題沸騰中の舞台『劇団四季 ノートルダムの鐘』が絶賛上演中です。

ディズニーによる映画版はもちろん、ヴィクトル・ユゴーによる原作『ノートルダム・ド・パリ』も読んでから観賞すると、より理解が深まるかもしれません。この世の不条理を描き、強いメッセージを伝える舞台版『劇団四季 ノートルダムの鐘』、ぜひご覧になってみてくださいね!

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