大阪松竹座の夏の風物詩「七月大歌舞伎」の演目を紹介

毎年、夏の大阪松竹座をにぎやかに彩る「七月大歌舞伎」。今年も7月3日(日)の初日を皮切りに、27日(水)までの日程で公演が行われる予定となっています。今年は五代目中村雀右衛門の襲名披露公演となっており、生まれ故郷での口上にも注目が集まります。今回は大阪松竹座で行われる「七月大歌舞伎」の演目を見ていきたいと思います。

毎年、夏の大阪松竹座をにぎやかに彩る「七月大歌舞伎」。今年も7月3日(日)の初日を皮切りに、27日(水)までの日程で公演が行われる予定となっています。今年は五代目中村雀右衛門の襲名披露公演となっており、生まれ故郷での口上にも注目が集まります。今回は大阪松竹座で行われる「七月大歌舞伎」の演目についてくわしく見ていきたいと思います。

大阪松竹座「七月大歌舞伎」 午前の部の演目をチェック!

大阪松竹座で行われる「七月大歌舞伎」。午前11時開演の昼の部では、「小さん金五郎(こさんきんごろう)」、「夕霧名残の正月(ゆうぎりなごりのしょうがつ)」、「与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)」の3つが上演されます。

「小さん金五郎」は金屋金五郎と湯女小さんの情話で、元禄時代より浄瑠璃・歌舞伎の題材として扱われてきました。千草屋の娘・お崎の許嫁(いいなずけ)であるにもかかわらず、木津屋六三郎は、芸妓のお糸に夢中。家宝の茶入を五十両で質入れしたことがきっかけで親との縁を切られてしまい、家を出て太鼓持・六ツ八となります。「六ツ八(六三郎)とお糸と別れさせ、彼が再度、家に戻れるようにしてほしい」とお崎に頼まれた髪結いの金五郎は、六ツ八とお糸の説得にあたりますが、お糸は納得することができず、同じ芸妓だった小さんに協力を求めます。小さんと金五郎の張合いをはじめとして、上方狂言の面白さを存分に楽しむことができる演目です。

「夕霧名残の正月」は、元禄時代の上方に実在した「夕霧(ゆうぎり)」という遊女が題材となっており、本作品は、地唄である「由縁の月」などをもとに書かれた舞踊劇です。夕霧の恋人であった豪商の息子・藤屋伊左衛門は、女遊びに夢中になった末に勘当され、借金を抱えてしまいます。その後、病気になってしまった夕霧に会うことができない日々が続き、とうとう死に目に立ち会うこともできませんでした。四十九日の法要で、夕霧が亡くなったことを知った伊左衛門はショックで気を失います。そこへ在りし日の夕霧が現れ、夢の中で楽しく踊る姿が描かれていきます。

「与話情浮名横櫛」は世話物の名作の一つとされている作品。江戸の大店・伊豆屋の養子となった与三郎は、赤間源左衛門の囲われ者であったお富と木更津の浜辺で出会い、互いにひと目惚れしてしまいます。ひそかに会う機会を重ねていたものの、源左衛門が2人の関係を知ってしまい、与三郎は全身に30以上もの刀傷を受け、死の淵に立たされることとなります。与三郎が死んだと思い、お富は海へ自らの身を投げますが、和泉屋多左衛門に助けられます。一命を取り留めた与三郎は、「切られ与三」の異名をとり無頼漢となりますが、ある日、お富と運命的な再会を果たすこととなります。おなじみの名せりふにも注目したい演目です。

大阪松竹座「七月大歌舞伎」 午後の部の演目をチェック!

午後4時開演の夜の部では、「鬼一法眼三略巻(きいちほうげんさんりゃくのまき)」、「鳥辺山心中(とりべやましんじゅう)」、「芋掘長者(いもほりちょうじゃ)」の演目に加え、五代目中村雀右衛門襲名披露 口上も行われます。

「鬼一法眼三略巻」は、美しく咲き誇る菊畑をバックに、源平の世に生きた人々を描いた作品です。吉岡鬼一法眼は兵道を極めた兵法学者で、兵法の秘伝書である虎の巻を所持しています。もとは源氏の侍だったものの、現在では平家の平清盛に仕えています。鬼一の館に雇われ、家事や家業に従事する奴・智恵内という人物が登場しますが、実は前述の虎の巻を手に入れるために姿を変えた鬼一の弟・鬼三太であり、また、主君である牛若丸も同じく虎の巻を狙い、奴・虎蔵に身を変え奉公しています。しかし、虎蔵に恋心を抱いていた鬼一の娘・皆鶴姫に素性を知られてしまうこととなります。秋の風情とともに展開されるストーリーは、色彩美豊かな世界観を楽しめる作品となっています。

「鳥辺山心中」は江戸中期の心中事件を題材に、武士と遊女の恋を描いた名作です。将軍の供をして京都に入った菊地半九郎は、祇園の遊女・お染と出会うこととなります。お染のもとへ通い、思いを重ねていきますが、ある日帰国を言い渡されます。半九郎は、友人であった市之助に、家宝であった刀を売ってでもお染を身請けしたいと頼みますが取り合ってもらえません。その後、市之助の弟である源三郎と些細なことから争いになった半九郎は源三郎を斬ってしまいます。進みも退きもできない困難な状態となった半九郎は、お染と共に死ぬ覚悟を決め、鳥辺山へと向かいます。新歌舞伎を代表する劇作家・岡本綺堂が描きだす独特の世界観に酔いしれることのできる作品です。

「芋掘長者」は、「棒しばり」などの作者としても知られる岡村柿紅が手がけた、歌舞伎舞踊の作品です。芋掘りを生業としていた芋掘藤五郎は、松ヶ枝家の娘・緑御前に恋い焦がれ、婿選びの場である舞の会へ踊りが上手だった友人の治六郎と乗り込みます。藤五郎は舞いができなかったため、面をつけた治六郎と入れ替り、藤五郎のふりをして素晴らしい踊りを披露します。その踊りに魅せられた緑御前は、藤五郎に対し「面を取って舞ってほしい」と所望されてしまいます。歌舞伎のイメージが変わるおとぎ話は、面白味が散りばめられた賑やかさにほっこりする作品です。

大阪松竹座で行われる「七月大歌舞伎」は、午前の部も午後の部も目が離せません。

今年も見どころ満載の大阪松竹座「七月大歌舞伎」

今年の大阪松竹座「七月大歌舞伎」も、見どころ満載な演目が勢ぞろいしています。襲名披露を行う中村雀右衛門は、口上のほか3演目に出演する予定となっており、雀右衛門襲名にふさわしい立ち振る舞いにも注目が集まります。熊本地震のチャリティーとして、舞台稽古も一般に公開される予定となっており、期待が高まる「七月大歌舞伎」。実際に劇場に足を運んでみてはいかがでしょうか。チケット情報はチケットキャンプ(チケキャン)で。

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