年に1度の地方巡業公演!2017年版「松竹大歌舞伎」の出演者&演目をご紹介

古くから大衆演劇として親しまれ、今では伝統芸能となった歌舞伎。普段は主要都市で行われることの多い歌舞伎ですが、「松竹大歌舞伎」は地方巡業。中央コース、東コースと2つのルートに分け、それぞれ異なる出演者と演目で行われます。今回は2017年の「松竹大歌舞伎」の演目や出演者について、お届けします。

【2017年も期待大!地方巡業「松竹大歌舞伎」の演目&出演者について詳細をお届け】

江戸時代より、庶民向けの演劇として栄えてきた「歌舞伎」。女形や見得など、独自の文化を500年以上も守り続けてきた日本の伝統芸能です。

最近では外国人観光客の増加により、日本の伝統文化として再び脚光を浴びています。敷居が高そうに思える歌舞伎ですが、初心者にもおススメなのが、年に1度行われる地方巡業の「松竹大歌舞伎」です。

毎年異なる演目や出演者によって行われ、全国で公演を行うまたとない機会。地元で本物の歌舞伎が見られるチャンスです!

こちらでは2017年度に行われる「松竹大歌舞伎」の中央コース&東コースの出演者や演目などの基本情報をお伝えします。

【2017年度「松竹大歌舞伎」のコース紹介】

まずは、2017年に行われる「松竹大歌舞伎」の中央コース&東コースの日程&会場について、お届けします。

2017年度「松竹大歌舞伎」中央コースの日程&会場

日程

2017年6月30日(金)~7月30日(日)

会場

2017年6月30日(金) 東京・大田区民ホール・アプリコ
2017年7月1日(土) 東京・府中の森芸術劇場
2017年7月3日(月) 神奈川・相模女子大学グリーンホール
2017年7月4日(火) 福島・郡山市民文化センター
2017年7月5日(水) 宮城・東京エレクトロンホール宮城
2017年7月7日(金)~9日(日) 秋田・明治の芝居小屋「康楽館」
2017年7月10日(月) 秋田・秋田県民会館
2017年7月12日(水) 山形・山形市民会館
2017年7月14日(金) 群馬・ベイシア文化ホール
2017年7月15日(土) 新潟・新潟県民会館
2017年7月19日(水) 愛知・蒲郡市民会館
2017年7月21日(金) 和歌山・和歌山市民会館
2017年7月22日(土) 大阪・岸和田市立浪切ホール
2017年7月24日(月) 岡山・倉敷市芸文館
2017年7月25日(火) 香川・ハイスタッフホール(観音寺市民会館)
2017年7月27日(木) 広島・三次市民ホールきりり
2017年7月29日(土) 福島・白河文化交流館コミネス
2017年7月30日(日) 神奈川・厚木市文化会館

2017年度「松竹大歌舞伎」東コースの日程&会場

日程

2017年6月30日(金)~7月31日(月)

会場

2017年6月30日(金) 東京・江戸川区総合文化センター
2017年7月1日(土) 神奈川・綾瀬市オーエンス文化会館
2017年7月2日(日) 千葉・東金文化会館
2017年7月3日(月) 埼玉・サンシティホール(越谷コミュニティセンター)
2017年7月6日(木) 北海道・札幌市教育文化会館
2017年7月8日(土) 青森・リンクステーションホール青森(青森市文化会館)
2017年7月9日(日) 岩手・北上市文化交流センターさくらホール
2017年7月11日(火) 栃木・栃木県総合文化センター
2017年7月12日(水) 神奈川・桐蔭学園シンフォニーホール
2017年7月14日(金) 群馬・群馬音楽センター
2017年7月15日(土) 長野・レザンホール(塩尻市文化会館)
2017年7月16日(日) 長野・サントミューゼ(上田市交流文化芸術センター)
2017年7月17日(月・祝) 富山・富山県民会館
2017年7月18日(火) 石川・石川県立音楽堂
2017年7月19日(水) 福井・越前市文化センター
2017年7月21日(金) 京都・舞鶴市総合文化会館
2017年7月22日(土) 滋賀・滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール
2017年7月23日(日) 愛知・春日井市民会館
2017年7月25日(火) 愛知・パティオ池鯉鮒(知立市文化会館)
2017年7月26日(水) 静岡・ロゼシアター(富士市文化会館)
2017年7月27日(木) 東京・たましんRISURUホール(立川市市民会館)
2017年7月28日(金) 埼玉・熊谷文化創造館さくらめいと
2017年7月29日(土) 茨城・茨城県立県民文化センター
2017年7月30日(日) 東京・練馬文化センター
2017年7月31日(月) 神奈川・よこすか芸術劇場

2017年の「松竹大歌舞伎」は、6月~7月の約1カ月間で行われます。中央コースは18会場、東コースは25会場の巡業予定です。

【2017年度「松竹大歌舞伎」の演目について】

毎年異なる演目で人々を楽しませてくれる「松竹大歌舞伎」ですが、2017年度はどの演目を行うのでしょうか。

ここでは演目の紹介とともに、あらすじを紹介します。

2017年度「松竹大歌舞伎」中央コースの演目紹介

まずは全国18会場を回る中央コースの演目をご紹介します。

一幕:妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)三笠山御殿

飛鳥時代、政権を握っていた蘇我入鹿(そがのいるか)を倒すべく、藤原鎌足(ふじわらのかまたり)と淡海(たんかい)親子の活躍を描いた作品。

演目の三笠山御殿は、物語のクライマックスになる場面です。

酒屋の娘である三輪は、近所に越してきた烏帽子折(えぼしおり)の求女(もとめ)に一目ぼれをするも、彼の元に現れた蘇我入鹿の妹・橘姫に嫉妬。彼の跡を追うべく、彼の着物の裾に赤糸をつけて、行く先をたどります。

その頃、蘇我入鹿の屋敷に訪れた、漁師鱶七(ふかしち)。正体は藤原鎌足の家臣である、金輪五郎今国(かなわごろういまくに)。三輪は糸を辿って追いついた、屋敷の豪華さに呆然。そして求女の正体も、また藤原鎌足の息子淡海(たんかい)であり、蘇我入鹿の討伐を伺っていました。

三輪が橘姫の恋敵と知った官女の罠により求女には会えず、しょんぼりと屋敷を後にしようとすると、橘姫と求女の祝言を祝う声を聞いてしまいます。嫉妬に狂った三輪が押し入りそうになるところを、漁師鱶七(ふかしち)が刃を突き立て、妨害。

三輪は、蘇我入鹿討伐のためにも嫉妬に狂った女の生き血が必要という話を聞き、求女の役に立つならと喜んで息を引き取っていきます。

ニ幕:五代目中村雀右衛門(なかむらじゃくえもん)襲名披露口上

袴姿の演者が並び、五代目中村雀右衛門(なかむらじゃくえもん)襲名のあいさつを行います。

三幕:太刀盗人(たちぬすびと)

京都にやってきた田舎者の万兵衛。お土産を買いに市場に出かけると、盗人の九兵衛によって黄金の太刀を盗まれます。盗まれたことに気づき、九兵衛から黄金の太刀を取り返そうとしていると、役人の目代(もくだい)が間を取り持つことに。

目代は本物の所有者であることを証明するために、太刀に関する質問を2人に投げかけます。万兵衛の声や動作までを盗み、同じように答える九兵衛。やがて万兵衛は自分の声の大きさに気づき、小さな声で質問に答えます。

万兵衛の声を聞き取れなかった九兵衛の運命は…。

悲しい物語の「妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)三笠山御殿」と、コミカルな「太刀盗人(たちぬすびと)」。異なるストーリー展開が楽しめるのが、2017年度「松竹大歌舞伎」の見どころですね。

2017年度「松竹大歌舞伎」東コースの演目紹介

続いては、25会場を回る東コースの演目を紹介します。

一幕:猩々(しょうじょう)

中国の揚子に住む親孝行の高風(こうふう)が、夢のお告げを聞いて酒屋を始めると大繁盛します。店の常連の中に、いくら酒を飲んでも顔色を変えない者がいました。不思議に思って彼に尋ねると、彼は水に棲むといわれる、中国の伝説の霊獣「猩々(しょうじょう)」。

高風は川のほとりで猩々を待ち、やがて現れた猩々に酒を与えると、上機嫌の猩々は舞を披露。そしてこれまでのお返しと、酒の尽きない酒壺を高風に与えて、猩々は去ります。

ニ幕:八代目中村芝翫(なかむらしかん)、四代目中村橋之助(なかむらはしのすけ)、三代目中村福之助(なかむらふくのすけ)襲名披露口上

袴姿の演者が並び、八代目中村芝翫(なかむらしかん)、四代目中村橋之助(なかむらはしのすけ)、三代目中村福之助(なかむらふくのすけ)襲名の挨拶を行います。

三幕:一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)熊谷陣屋(くまがいじんや)

平家物語を題材にした一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)の3段目にあたる熊谷陣屋(くまがいじんや)。平敦盛を討った熊谷直実(くまがいなおざね)が、自分の陣屋(熊谷陣屋)に戻ってくると、いるはずのない妻・相模(さがみ)の姿が。

息子の初陣を心配してきたという相模と、かつての大恩人である敦盛の母・藤の方まで居合わせることに。恩人の息子を討ち取った熊谷は、やがて現れた源義経の命により、討ち取った首を見せます。

熊谷が首を差し出すと、そこには熊谷の一子、小次郎の首が。義経は頼朝の命にそむき、後白河法皇の息子である敦盛を逃がそうとしていました。その思惑を知った熊谷は、自分の息子と首をすり替えたのです。

中国を舞台にしたファンタジーな作品と、戦国時代を生きる親子の悲しい物語が繰り広げられる、2017年度「松竹大歌舞伎」の東コース。特に熊谷陣屋では、登場人物の複雑な表情にも注目したいですね。

【2017年度「松竹大歌舞伎」の出演者&配役紹介】

日程や会場、演目を紹介してきた2017年度「松竹大歌舞伎」。最後は目玉となる出演者の紹介です。

演目ごとの配役とともに見ていきましょう。

2017年度「松竹大歌舞伎」中央コース出演者&配役一覧

一幕:妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)三笠山御殿

  • 杉酒屋娘のお三輪:芝雀改め中村雀右衛門(なかむらじゃくえもん)
  • 烏帽子折の求女(藤原淡海):中村歌昇(なかむらかしょう)
  • 入鹿妹・橘姫:中村米吉(なかむらよねきち)
  • 豆腐買・おむら:大谷友右衛門(おおたにともえもん)
  • 漁師鱶七(金輪五郎今国):中村吉右衛門(なかむらきちえもん)

ニ幕:五代目中村雀右衛門(なかむらじゃくえもん)襲名披露口上

  • 芝雀改め中村雀右衛門(なかむらじゃくえもん)
  • 幹部俳優出演

三幕:太刀盗人(たちぬすびと)

  • 九郎兵衛:中村又五郎(なかむらまたごろう)
  • 目代・丁字左衛門:中村吉之丞(なかむらきちのじょう)
  • 万兵衛:中村種之助(なかむらたねのすけ)

2017年度「松竹大歌舞伎」では、女形をつとめる中村雀右衛門(なかむらじゃくえもん)襲名のお披露目公演となる、中央コース。

妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)では、叶わぬ恋にほんろうされる酒屋の娘・三輪を、あでやかに演じます。

2017年度「松竹大歌舞伎」東コース出演者&配役一覧

一幕:猩々(しょうじょう)

  • 猩々:中村錦之助(なかむらきんのすけ)・国生改め中村橋之助(なかむらはしのすけ)・宗生改め中村福之助(なかむらふくのすけ)
  • 酒売り:芝喜松改め中村梅花(なかむらばいか)

ニ幕:八代目中村芝翫(なかむらしかん)、四代目中村橋之助(なかむらはしのすけ)、三代目中村福之助(なかむらふくのすけ)襲名披露口上

  • 橋之助改め中村芝翫(なかむらしかん)
  • 国生改め中村橋之助(なかむらはしのすけ)
  • 宗生改め中村福之助(なかむらふくのすけ)
  • 幹部俳優出演

三幕:一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)熊谷陣屋(くまがいじんや)

  • 熊谷直実:橋之助改め中村芝翫(なかむらしかん)
  • 相模:中村扇雀(なかむらせんじゃく)
  • 堤軍次:国生改め中村橋之助(なかむらはしのすけ)・宗生改め中村福之助(なかむらふくのすけ)※交互出演
  • 藤の方:市川高麗蔵(いちかわこまぞう)
  • 白毫弥陀六:中村歌六(なかむらうたろく)
  • 源義経:中村梅玉(なかむらばいぎょく)

2017年度「松竹大歌舞伎」では、中村芝翫(なかむらしかん)本人と、長男&次男にあたる総勢3名の襲名お披露目になる中央コース。

熊谷陣屋(くまがいじんや)では、親子での共演も見どころです。

【2017年度「松竹大歌舞伎」を観に行こう!】

(出典:pixabayより)

毎年恒例となった地方巡業の「松竹大歌舞伎」。2017年度は中央コース、東コースならびに襲名披露も行われ、さらに華やかな演目になることでしょう。伝統芸能とだけあって若者には足を踏み入れにくい歌舞伎ですが、最近ではさまざまな工夫で歌舞伎を楽しめるように進化しています。

元は大衆演劇として、多くの人に愛されてきた歌舞伎。以前から興味はあるもののきっかけが掴めなかった方にも、2017年度「松竹大歌舞伎」であれば、遠方に足を運ばなくても本場の歌舞伎を楽しめます!ぜひこの機会に、歌舞伎の世界に飛び込んでみてはいかがですか?(敬称略)

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