美輪明宏主演!近代能楽集より『葵上・卒塔婆小町』のストーリー・見どころ・キャストまとめ

美輪明宏主演「近代能楽集より『葵上・卒塔婆小町』」が、2017年3月から4月に東京・新国立劇場 中劇場にて上演決定。演目は、三島由紀夫の戯曲集「近代能楽集」より、「葵上」と「卒塔婆小町」の2作品。今回はみどころやストーリーなどをまとめます。

美輪明宏主演「近代能楽集より『葵上・卒塔婆小町』」が、2017年3月から4月に東京・新国立劇場 中劇場にて上演されることが決定しました。

演目は、三島由紀夫の戯曲集「近代能楽集」より、「葵上」と「卒塔婆小町」の2作品。美輪明宏自身が演出を手掛ける本作について、みどころやストーリーなどをまとめます。

三島由紀夫作『近代能楽集』とは?

『近代能楽集』は、三島由紀夫による戯曲集です。三島由紀夫は、戦後の日本文学を代表する作家です。

『仮面の告白』(1949年)、『潮騒』(1954年)、『金閣寺』(1956年)、『鹿鳴館』(1956年)、『鏡子の家』(1959年)、『憂国』(1961年)、『サド侯爵夫人』(1965年)、『豊饒の海』(1965年-1970年)など代表作は枚挙にいとまがなく、今なお多くの支持を集めています。

その人気は日本国内にとどまらず、海外でも高く評価されており、生前にはノーベル文学賞候補としてその名が上がることも多々ありました。古典や芸術などに精通した幅広い教養、修辞的で美しく豪華な文体、耽美的な作風などが三島作品の主な特徴です。

政治活動家・皇国主義者としてのイメージも強く、1970年に3名の同志と、東京・市ヶ谷の陸上自衛隊東部方面総監部で割腹自決を果たしたことは世間に衝撃を与えました。享年45歳でした。

生前は多くの文学者に愛された美青年であった美輪明宏と親交が深く、強い親愛の情を示していました。自分の作品を体現する存在としてミューズのように崇め、また美輪明宏も三島由紀夫を心から尊敬していました。

三島由紀夫は、年を経るにつれて創作の中心を徐々に変えていきました。まずは短編小説と詩歌を、やがて長編小説と戯曲を創作の中心に据えるようになっていきました。若いころから能に強く惹かれていた三島は、能の謡曲を近代劇に翻案する作業を開始します。

能舞台で豪華なセットもなく展開される能。衣裳や唄い、そして能面や踊りによって自由自在に時空を超えていくわけですが、そのように場の状況に縛られずに自在に展開する能の特徴を生かし、暗示的かつ哲学的な表現を獲得した三島によるこういった作品群は、一般的な近代演劇では描ききれない抽象的な主題や、人間の深い情念を見事に浮かび上がらせます。

1956年に新潮社より刊行された『近代能楽集』には、「邯鄲(かんたん)」「綾の鼓(あやのつづみ)」「卒塔婆小町(そとばこまち)」「葵上(あおいのうえ)」「班女(はんじょ)」の5曲が収録され、1968年刊行の新潮文庫版には、「道成寺(どうじょうじ)」「熊野(ゆや)」「弱法師(よろぼし)」の3曲を加えた全8曲が収録されました。

美輪明宏による舞台化の歴史

三島由紀夫の『近代能楽集』を美輪明宏が最初に舞台化したのは、1996年のことでした。「卒塔婆小町」「葵の上」の2作品を、自らの手で演出したのです。その後、複数回の再演が行われています。

実は、三島由紀夫が最初に美輪明宏に「卒塔婆小町」「葵の上」出演を依頼したのは、まだ三島の生前のことでした。「黒蜥蜴」の初演が終わった直後だったそうです。しかし、「卒塔婆小町」は99歳の老婆が主人公なので、自分ではまだ若すぎると美輪明宏は断り続けていたと言われています。

その後、三島由紀夫の没後に「葵上」だけが追悼公演として上演されましたが、1996年になって遂に念願の2本上演が実現したということのようです。

両作品で主演をつとめるのは、もちろん美輪明宏です。なお、美輪明宏以外のキャストについてはまだ発表されていません。

『近代能楽集』より「卒塔婆小町」あらすじ

それでは、それぞれの演目のあらすじを見てみましょう。まずは「卒塔婆小町」です。

薄汚い老婆として登場した美輪明宏が、詩人に昔の話を聞かせるうちに皺ひとつない美女(小町)の姿を見せる「卒塔婆小町」は、『世にも奇妙な物語』のような不思議なストーリーです。

「私を美しいと言った男はみんな死んでしまった」という呪いを背負った小町と、小町に魅せられた詩人とは何を表しているのでしょうか?愛とはなにか、美とはなにか、死とはなにか。

そんな根源的な問いを、年齢すら飛び越えてしまう美輪明宏の超人的な演技をもって投げかける、傑作です。

『近代能楽集』より「葵の上」あらすじ

それでは、「葵の上」のあらすじを見てみましょう。

「葵の上」の原典は、『源氏物語』の第9帖「葵」です。光源氏の病弱な妻である葵が、激しい嫉妬にかられた六条御息所の生霊に殺されてしまうというストーリーを現代風にアレンジしたもので、三島由紀夫は『近代能楽集』の収録作品の中でも、特にこの「葵の上」を気に入っていたようです。

美輪明宏が演じるのは、六条康子。生霊としても、生身の人間としても登場する難しい役どころです。スリラー的な要素もある傑作です。

上演会場である新国立劇場と、アクセスは?

「近代能楽集より『葵の上・卒塔婆小町』」の会場は、東京・初台にある新国立劇場 中劇場です。京王新線の初台駅直結という好立地の劇場で、中劇場はストレートプレイもミュージカルも上演する非常に観やすい劇場になっています。客席数は約1000席で、ステージの形式によって少し変わります。

ホワイエも広く、比較的どの席からもステージを観ることができる優れた構造の劇場だと思います。音響のクオリティも高いので、聴き取りづらいといったストレスを感じることなく芝居を存分に楽しむことができるでしょう。

チケットの発売日は2016年12月を予定していますが、常に完売の美輪明宏公演。しかも、毎回大好評を博している「近代能楽集より『葵の上・卒塔婆小町』」です。美輪明宏以外のキャストがどうあれ、かなりのチケット争奪戦が予想されます。

伝説の舞台「近代能楽集『葵の上・卒塔婆小町』」を堪能しよう!

三島由紀夫の原作を、美輪明宏の手によって舞台化した「近代能楽集『葵の上・卒塔婆小町』」。三島由紀夫自信が美輪明宏に演じてもらうのを切望していたという本作は、日本演劇界でも伝説的な名作として知られています。巧みなストーリー、普遍的なテーマ、見事な演技……新国立劇場という日本屈指の名劇場で、この伝説の舞台を堪能できるのはまたとないチャンスです。絶対にこの機会を逃さないでくださいね。チケット情報はチケットキャンプ(チケキャン)で。

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