現実の俳優たちとリンクする!劇団四季「コーラスライン」の色あせない魅力

ブロードウェイの舞台に生きるコーラスダンサーたちの人生を描いた劇団四季のミュージカル「コーラスライン」。この作品が、なぜ時代を超えて観るひとの心に響くのかでしょうか。その理由を探っていきます。

ブロードウェイの舞台に生きるコーラスダンサーたちの人生を描いた劇団四季のミュージカル「コーラスライン」。

日本で初演は1979年。これまで断続的に上演され2000回を達成した四季を語る上で欠かせない作品の中のひとつです。

ブロードウェイの舞台に一言の台詞もない単なる端役でもよいから立ちたいと願う若者たちの、夢と現実の苦悩を描いたこの「コーラスライン」。この作品が、なぜ時代を超えて観るひとの心に響くのかでしょうか。その理由を探っていきます。

劇団四季「コーラスライン」は、ブロードウェイのダンサーたちの”リアル”を描く異色の舞台

「コーラスライン」の舞台は、「ブロードウェイの舞台に立ちたい!」と願う若者たちのオーディション会場。

演出家兼振付家のザックは、オーディションで選ぶ立場で、次々に落ちる者の名前が呼び、会場から退場させていきます。 そして厳しい審査に残った17名を前に、ザックはここで奇妙なことを皆に提案します。 自らのこれまでの人生ありのままをひとりずつ語れというのです。

そこには、家族に恵まれなかった者、学校でいじめに遭いダンスだけが心のよりどころだった者、歳をとってもう自分は舞台には立てないのではと不安になる者、そして隠し続けた自らのセクシャリティが家族に知られたこと…など、様々な思いを抱える若者たち。

さらにザックは尋ねます。 「ダンスが踊れなくなったらどうするのか?」と… 。

ミュージカルといえばフィクションが当たり前であった1979年、夢の舞台の表側ではなく陰で挫折を繰り返しながら生きていくダンサーたちのリアルを追求したこの舞台は、観客に衝撃を与えました。ミュージカルの中でも、異色の作品だといえるでしょう。

舞台に立つことの厳しさをひしひし感じる、劇団四季「コーラスライン」

ただひたすら舞台に出たいと大きな野望と夢だけ抱いた俳優たちが、決して他人には明かしたくないと願っていた自分の心の奥底を、ひたすら語り続ける……。

さらにそこまでしてもみんなが報われるわけではありません。結局オーディションに「落ちる者」と「選ばれる者」が出る、舞台人が避けられない現実が待ち構えているのです。

観客としては、若者たちの人生をただ上からの目線で聞いているだけにみえるザックに対し、反感を感じる場面もあるでしょう。しかし、それは彼の元恋人キャシーがオーディションを受けにきたことが分かると変わるはず。

彼女とのやりとりでザックもまた、若者たちと同じ厳しい世界で生きなくてはいけないひとりであることがわかるのです。

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